2016年2月23日火曜日

“肩こり解消”で思わぬ被害_クローズアップ現代

NHKで施術による事故の特集をやっていました。

クローズアップ現代.
2016年02月10日(水)放送
“肩こり解消”で思わぬ被害!?~癒やしブームの陰で何が~

無資格のリラクゼーションマッサージでの事故を取り上げていました。
多分、シナリオはこうです。
「無資格のリラクセーションマッサージは事故が多い。」

そこで対比として取り上げていたのが接骨院。
これで対比となるのか非常に疑問です。

接骨院に通う人は異口同音に「電気をかけるだけ」と言います。
保険が使えるのは急性・亜急性の外傷(怪我)由来の場合のみです。
しかも、マッサージが認められるのは外傷(骨折/脱臼など)の治療の効果を高めるため限定です。

内容的には
無資格でのマッサージの問題を取り上げて、事故の実例、団体の取組などを紹介していました。
一方接骨院は団体で診断の確実性に超音波検査器を導入を進めているという内容でした。
一応、「接骨院では診断に使えません。症状の確認に使用します」という話もでてきます。

無資格マッサージの業者は事故の集計を行い、教育に取り組んでいるというしっかりした内容。
但し、取り組んでいるのは一部の業者のみという落ちです。

結局、「肩こり」をテーマにして接骨院を取り上げるところにかなり無理がありました。
番組のなかでも「あんまマッサージ指圧師」の国家資格を必要ですとテロップにでてきます。

NHKのホームページに詳細が載っています。
興味のある方はご覧ください。

ここからは裏事情です。
チェーン店のリラクゼーションマッサージで実際に施術している人たちは国家資格勉強中の学生が多かったりします。
学生の頃、周りの同級生もアルバイトをしていました。
ある意味、医学の知識を持っている人が実は多かったりします。
個人でやっているリラクゼーションマッサージは不安がありますが。

けど、「あんまマッサージ指圧師」って巷では聞かないですよね。
他の医療系の資格は規制緩和の影響でかなり人が増えていますが、「あんまマッサージ指圧師」は精眼者枠の規制緩和がされていないので人数が少ないのです。
建前は視覚障害者の保護ですが鍼灸は規制緩和されています。
試験も精眼者と視覚障害者は同じで、ハンデは試験時間が長いだけ。
国家試験も結構難しいので視覚障害者の合格はその時点で少なくなります。
私も国家資格所有者ですが、多くは柔道整復師(接骨院)や鍼灸師の資格と一緒にとります。
これは試験科目がかなり重複していて、授業免除などもあるのでお金がある人はセットでとります。
また、人数が少なく、病院やスポーツ施設に勤務する人が多いです。

「あんまマッサージ指圧師」と比較できないので「接骨院」になったのでしょうね。

肩こりを治療できる国家資格があります。
鍼灸師の国家資格です。
保険治療も以下の病状で可能です。(要医師の同意書)
①神経痛
②リウマチ
③頚腕症候群
④五十肩
⑤腰痛症
⑥頸椎捻挫後遺症
頚腕症候群はちょっとわかりにくいですが首肩腕全般の慢性的症状のことです。
肩・腕の 痛み・こり感・しびれ感・重だるなど、肩こりも含まれます。
一般的に言われる肩こり/腰痛の治療を保険でできる唯一の資格と言ってもよいでしょう。

ちなみに「あんまマッサージ指圧師」は診断名ではなく、症状で治療の対象が決まります。
保険請求も部位(躯幹・右上肢・右下肢・左上肢・左下肢)で区分されています。(要医師の同意書)

保険治療にご興味がございましたらこちらもご覧ください。
ブログ内リンク:保険治療 療養費支給申請編

訪問マッサージを介護保険などで実施している業者は基本的に総合病院/接骨院ですが、実際に施術できる人は「あんまマッサージ指圧師」のみです。
接骨院でマッサージをしている人はちょっと怪しいかもしれません。
無資格マッサージかも。