この世界にいると「深谷灸」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
でも実際に見たりやったりする機会は意外に少ないでしょう。
先日、実際にやる機会があったのでちょっとご紹介します。
でも、その先生のオリジナルな部分もあるのでそのつもりで読んでください。
基本はお灸を竹筒で消す、です。
普通、お灸は地肌に直接置きます。従って火が皮膚に直接触るので当然熱いのです。学校では火傷に耐えながらみんな練習します。
深谷灸では燃え切る前に竹筒をかぶせ酸素を無くして消します。そのときにある程度強く竹筒を押して沈めるのがコツです。これで余熱が体の奥の方へ伝わるようにします。竹の太さは灸点紙が押さえられる程度がベストのようです。ちょうど習字の筆くらいの太さでしょうか?
灸点紙は普通、お灸をする場所に張ってその上にお灸をすることで肌に火傷の後が付かないようにする物ですが、先生はそれに穴を開けて艾が直接肌に触れ艾の成分が体に吸収されるようにします。従って灸点紙を押さえられる竹筒の大きさが都合が良いのです。竹筒が大きい場合は内側に紙粘土を詰めて内径を小さくします。
ここで疑問を持った方もいるかもしれません。
「じゃ、何のために灸点紙を使うのか?」
これはお灸の場所をマーキングすることと艾を灸点に立たせることが目的です。お灸の成分を体に作用するために普段我々がやる「高さ5mmのお灸」ではなく10mm位のお灸を据えます。(艾を高くして艾の成分を肌により多く付ける)
普通にやったのではなかなか皮膚に艾が立ちません。
更に鍼を刺して空いた穴(傷)に艾を正しく据えるマーキングが重要になります。今回の先生は艾の成分をより作用させるための切皮程度の刺鍼をします。
刺鍼した鍼に、穴の空いた灸点紙を通して張って切皮したところに確実に艾が据えられるようにするのです。灸点紙を張った後に鍼を抜きます。
私が先生の要望で腰にさせてもらったときには腰陽関/大腸兪に20mm位深刺ししましたので実際には患部によっては深刺しもします。しかも挫刺針で。
他にも取穴に関して独特の考えがありますがここでは省略します。
今回の先生の治療パターンは
・吸角
・深谷灸+鍼(挫刺針)
・刺絡
のようです。
吸角に関しては以前ブログにご紹介しました。
挫刺針、刺絡に関しては近いうちにブログで紹介したいと思います。
後、
深谷灸+鍼の前後には、マテリアリフレ
刺絡の後は、太乙膏
を塗ります。
マテリアリフレ、太乙膏に関しては以前ブログでご紹介しましたので参考にしてください。
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